超音波溶着の原理 #4 ホーンについて
ブランソンでは、さまざまな用途に合わせたホーンの製作を手掛けてきた経験をもとに、アプリケーションに最適なホーンを提案・設計いたします。
この記事では、材質、設計など、ホーンに関する基礎知識に関してご説明します。
ホーンは溶着を行うプラスチックパーツに直接接触して振動を伝達する部品です。
ホーンには標準的な形状は存在しません。
以下の写真のように大・小、丸・四角、縦長・横長など、溶着を行いたいプラスチックパーツの形状に合わせて事例ごとに設計・製作します。
ホーンに使用する材料は、非常に特殊な例を除きアルミ・チタン・鉄のいずれかとなります。
溶着を行うプラスチックパーツの材料や大きさに応じて使い分けを行います。
材料 | 価格 | 耐摩耗性 | 靭性 (対高振幅) | 大型化 |
アルミ | ◎ (安価) | △ | △ | ◎ |
チタン | △(高価) | 〇 | ◎ | 〇 |
鉄 | ◎(安価) | ◎ | △ | △ |
アルミ・・・最も安価。質量が小さいため大きいホーンも製作可能
チタン・・・高価。ただし、耐摩耗性に優れ、更には靭性も高いため大きな振幅を必要とする場合にも対応が可能
鉄・・・安価。耐摩耗性に最も優れる。超音波インサートなど金属製品に直接接触するような場合に使用
ホーンは20kHz(または30kHz, 40kHzなど)の振動で共振するように振動解析を行った上で、固有振動数を考慮して設計されています。
(20kHzの溶着を行う場合、厳密には19,820Hzなど19,500Hz~20,500Hzの範囲の中で固有振動数を持つよう設計されます。)
共振を利用せずともホーンを振動させることはできますが、
超音波溶着において共振を利用する理由は「より小さなパワーでより大きな振幅を得る」、
つまりは最も効率的にホーンを振動させることができる方法であるためです。
また、設計時には固有振動数の他、振動バランスも考慮して設計する必要があります。
もし仮に振動バランスを考慮しないで設計した場合、
ホーンの端面で一定の振幅量が出せない(=溶着の強弱が出てしまう)、または破損し易い、
といった結果に繋がります。
振動バランスを考慮していないホーン(中央のみ振幅が高い)
振動バランスを考慮して設計されたホーン(端面で均一な振幅)
ブランソンでは、さまざまな用途に合わせたホーンの製作を手掛けてきた経験をもとに、
ホーンに関する皆様のご相談にお答えします。
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