振動溶着機の構造② オービタル振動溶着機
オービタル振動溶着機の特徴
加速度が少ないため、電気部品のパッケージングに向いた工法となります。
リニア振動溶着と同様に、消耗する部品もなくメンテナンスフリーでランニングコストに優れています。
オービタル振動とは
まずオービタル振動を説明します。
回転運動ではなく小さな円を描く偏心運動のことです。
オービタル振動溶着機のメリット・デメリット
振動溶着にオービタル運動を利用するメリットは、溶着面すべてに円運動が発生するので均一な溶着が可能なことです。溶着したいワークにリニアと同じ振幅が設定できるならば、オービタルは円運動になり円周を振幅と考えられるので、振幅がリニアに比べて少ない振幅代を設定できます。
最大の特徴としてオービタル振動溶着機は製品に与える加速度が非常に少ないです。
リニアは左右に振動するのでストップ&GOを繰り返すのに対し、オービタルは絶えず一定速度で動いていますので発生する加速度が少なく、(条件にもよりますが)リニアの半分以下の加速度で溶着することが出来ます。そのため振動に弱い部品のパッケージングに適した溶着工法と言えます。
オービタル振動のデメリットとしては偏心運動で全方向に振動しますので
3次元形状の溶着には向いていなく平面の溶着に限定されます。
オービタル振動溶着機の構造
基本的な構成はリニア振動溶着機と同じで、バイブレータヘッドと加圧機構の構成となっております。
バイブレータヘッドがオービタル運動を発生させるために、バイブレータヘッドを上から見ると3方向に電磁コイルをレイアウトしています。タイミングよく順番に電磁を発生させてオービタル振動を発生させています