振動溶着機の構造#1 リニアタイプの振動溶着機
弊社の振動溶着機ヘッドの特徴
振動溶着機の構造#1 リニアタイプの振動溶着機
振動溶着機の特徴
振動溶着機は安定した溶着を提供して、消耗部品がなくかつメンテナンスフリーでランニングコストが非常に優れた機械となっております。
溶着機の構成
振動溶着機の本体は、振動を発生させるバイブレータヘッドと加圧を発生させるリフトテーブルで構成されています。
振動溶着機にアッパーフィクスチャー(上治具)とロワーフィクスチャー(下治具)を搭載してワークに振動と加圧を与えることにより摩擦熱が発生し、二つの樹脂ワークが溶着します。
バイブレータヘッドの構造
バイブレータヘッドは、ブリッジとドライバーボックスの間にスプリングを備えている構造となっています。そのドライバーボックスを左右の電磁コイルをON-OFFを繰り返すことにより振動を発生させます。
搭載されているスプリングは非常にバネ強さが高い板バネとなっており、弱い力ではびくともしません。そのバネをバイブレータヘッドが共振の力を使ってたわませ、振動を発生させます。共振周波数はバネと重りの関係で成り立っており、上治具の重量が変わることにより共振周波数が変わってきます。パワーサプライではピックアップセンサーの入力信号から共振周波数や振幅を感知して適切に共振する状況をつくります。
発振を止めると板バネが持つバネ強さの力によりバイブレータヘッドはセンターに帰ってきます。よくバイブレーションウエルダーは溶着後の位置がバラつくのではないかとご質問を受けるのですが、バイブレータヘッドが中央に帰るときに抵抗になる力は溶けた樹脂の摩擦抵抗となり、はるかにバイブレータヘッドの力が勝るため、必ずセンターへバイブレータヘッドは帰ってきますのでご安心ください。
電磁の力とバネを利用して動くため、摺動による摩耗が発生しないので、バイブレータヘッドは日々のメンテナンスなどが不要です。また溶着するときにしか電気を使用しませんのでランニングコストにも有利な設備です。
弊社の振動溶着機ヘッドの特徴
加速度の考え方
リニアタイプの振動溶着機は小型~中型の成型品向けとして240Hz、大型の成型品向けとして100Hzの溶着ラインナップがあります。一秒間に240回や100回左右にSTOP&GOを繰り返しますので加速度が発生します。
240Hzで約200G、100Hzで100Gの加速度が発生します。
200Gの世界は1キロの重さが200kgになります。
中型の振動溶着治具は30kgの上治具重量がありますので200Gで6,000kgの力が発生します。そのため溶着治具や設備は振動に対して適切な設計が求められます。
設計に瑕疵があると、設備や治具を破損しトラブルが発生します。
加圧機構
溶着機のモデルにより加圧の発生機構部が異なってきます。
小型の振動溶着機はエアシリンダ、中型以上のモデルは油圧にて加圧します。
最新モデルでは、動作スピードや精度を上げるためにサーボ加圧機構を搭載したタイプがあります。