金具インサート~超音波溶着機の応用例
プラスチックの成形品に金具を埋め込む際にも、超音波溶着技術が応用できます。インサート金具の表面に、ホーンからの超音波振動と圧力を与えることで、金具とプラスチックの境界面で摩擦熱が発生し樹脂を溶かします。
成形品に金具を埋め込みたいというテーマはお持ちではないでしょうか?
超音波溶着機の応用事例について、今回は「金具インサート」を紹介いたします。
インサート金具の表面にホーンからの超音波振動と圧力を与えることで、金具とプラスチックの境界面で摩擦熱が発生し樹脂を溶かします。
成形品の下穴径はインサート金具よりも少し小さく設計します。
摩擦熱により溶融された樹脂は、インサート金具に加工されたナールまたはアンダーカット等の溝に流れ込み、機械的にロックします。
超音波インサートは、熱圧入の方式です。樹脂を溶かしながら挿入するため、非常に高い強度を期待できます。
またサイクルも非常に早く、通常1秒以下です。金具の大きさは最大でM8までを目安としております。
他の熱圧入方式では、金具自身を高温化し周囲の樹脂を溶かしますが、超音波インサートはその必要はなく、摩擦が生じる境界面のみと局所的です。極めて熱影響が少ない熱圧入方式と言えます。そのため気密性が必要な製品向けには、金具にパッキンを設けることも可能です。
・サイクルが短い・・通常1秒以下
・インサート金具樹脂のストレスが少ない
・金型の損傷がなく、金型にインサート金具を挿入する時間を必要としない
・成形サイクルが上がる
・複数のインサートが1度にできる
・金型が安くあがる
・自動化しやすい
・再現性が高く制御しやすい
・ボスのクラッキングがない