ディゲーティング(ゲートカット)のイメージ

振動伝播で振り落とせ!ディゲーティングのご紹介

超音波振動を利用して、射出成型されたプラスチックパーツをゲートから分離させる工法です。

超音波溶着機の溶着以外の応用について、今回は「ディゲーティング(=ゲートカット)」をご紹介します。


超音波振動を利用し、プラスチックパーツをゲートから分離させる

ディゲーティングもしくはゲートカットと呼ばれるこの工法は、超音波振動を利用して射出成形されたプラスチックパーツをゲートから分離させる工法となります。

通常、射出成形直後のプラスチックパーツは下図のようにランナー部とくっついた状態で成形されています(プラモデルを想像すると分かりやすいと思います)。また、ランナーと製品部分の境界点はゲートと呼ばれます。

下図の例では、実際に使用する製品部分は黄色のリング状の部品となりますので、製品部分をランナーから分離させることが必要になります。

刃物や面倒な手作業は不要。美しい仕上がりを実現

ランナーから製品部分を分離させる際に、手作業で取ったり、刃物を使って切り落としたりもしますが、ここで超音波振動を利用することができます。

下図のようにランナー部分にホーンを当てて超音波振動を発生させることで、振動がランナーからゲート部を通って製品部分に伝達されますが、ゲートは通常非常に小さな面積に設計されているため、ゲート部に応力集中が発生しその応力に耐え切れず結果としてゲート部で製品とランナーが分離されます。

エッチング加工したSUSシートへの応用例


この「振動伝達による振り落とし」工法の応用範囲はプラスチック成形品だけに留まらず、私が過去に携わった例ではエッチング加工したSUSシートにも適用可能でしたのでご紹介します。
例えば、以下のようなエッチング加工された金属シートに対して、赤で囲ったシートの外枠部分にホーンを当てて振動を発生させることで、振動伝達により個々の製品部分が一瞬でバラバラと枠から(オレンジ色の部分から)きれいに分離されます。これまでは手作業で1つずつシートから分離していた作業がこれにより非常に簡素化されました。
 

一度に多くの製品の分離が可能となり、また分離部も非常に綺麗な仕上がりとなることがこの工法のメリットです。

本件に関してのご相談などがございましたら、こちらのお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせ下さい。

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